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【講座】沖縄の伝統的木造建築物の魅力と技-沖縄大工による実践の記録-
去った2011年12月10日(土)、那覇地域職業訓練センターにて「【講座】沖縄の伝統的木造建築物の魅力と技-沖縄大工(ウチナーセーク)による実践の記録-」が開催されました。
その様子を簡単にご紹介します。
講演の様子

金城稔氏
「【講座】沖縄の伝統的木造建築物の魅力と技-沖縄大工(ウチナーセーク)による実践の記録-」は、文化庁の補助を受けて沖縄県建築士会が主催したもので、「沖縄県における文化財修理に関わる伝統技術の普及業務」の一環として行われました。
同業務は「沖縄の文化財建造物を維持・活用していくための調査設計、施工技術の普及」を目指しており、この日の講座の目的について建築士会は次のようにまとめています。
当日配布資料「はじめに」より
いわゆる「琉球建築」は、私達の先人が築き上げたすばらしい文化遺産です。昭和20年の沖縄戦でこれらの建造物がことごとく灰燼に帰したのは残念なことです。しかし、戦後、文化財関係者の努力と沖縄の皆さんの物心両面にわたる協力、日本本土の学識経験者や関係機関の支援を得て、多くの歴史的建造物が蘇りました。首里城守礼門、円覚寺総門、弁財天堂、末吉堂、識名園、最近では首里城内の建造物群、玉陵東の御番所、喜名番所などです。さらに、戦禍をくぐりぬけた建造物の保存修理工事も行われてきました。園比屋武御嶽石門、円覚寺放生池(石造)、天女橋、玉陵、金武観音寺、中村家住宅、銘苅家住宅、上江洲家住宅、高良家住宅などです。
復元された建造物と保存修理された文化財建造物は、現在の沖縄の近代的な風景の中でも、至宝の輝きを放っています。これらの建造物の前に佇むと、琉球王国時代の息吹と先人の思いが感じ取られます。
現代に生きる私たちにできることとして、まずは、このような沖縄の歴史的建造物の創建から今日までの経緯や建造物を支える伝統的技術を知り、保存・活用に理解を深めることではないでしょうか。本日の講座が、そのことを考えるきっかけになれば幸いです。
講演では、前半に「琉球建築」の特徴や、県内の歴史的な建造物についての紹介、戦後の主な歴史的建造物の復元・修理の流れについての説明が行われました。講座の後半では、長らく沖縄県内の木造建造物に関わってこられた金城稔氏を講師にお迎えし、スライドを使用して氏が関わってこられた木造建築物の伝統技術について解説が行われました。
定員は50名でしたが、当日は50名を超える人々が集まり、普段は見ることのできない修理中の様子を興味深そうに見入っていました。
沖縄県建築士会のご厚意により当日の映写資料の一部を公開させていただけることになりました。どうぞご覧ください。
■復元事例(一部抜粋)
■修理事例(一部抜粋)
沖縄県建築士会では、今後「沖縄県における文化財修理に関わる伝統技術の普及業務」として実習や木造建築物の修復事例の視察等も計画しているそうです。
沖縄県建築士会ホームページはこちら。