古民家を楽しもう!
【実習】沖縄の伝統的木工技術を体験しましょう―沖縄大工の指導による継手・仕口の加工―
2011年12月24日(土)、沖縄県建築士会主催の「【実習】沖縄の伝統的木工技術を体験しましょう―沖縄大工(ウチナーセーク)の指導による継手・仕口の加工―」が開催され、建築士会の会員など15名が参加しました。
この実習は、建築士会が文化庁の補助を受けて実施中の「沖縄県における文化財修理に関わる伝統技術の普及業務」の一環として行われたもので、これまで沖縄の伝統的木造建築物についての講座も開催されています(講座の様子はこちら)。
実習の様子
今回の実習では、前回の講座でも講師を務めた金城稔氏が講師となった原寸図の作成と、沖縄大工である親泊次郎氏が講師を務めた継手・仕口の加工が行われました。
原寸図とは実物と同じ寸法でかかれた図面のことで、軒先の反り方や瓦のおさまりなど図面だけでは分かりにくい部分を写し取るために作成されます。
今回は、金城氏が古民家の軒先の原寸図を作成する様子を間近で見学することができました。また、完成した原寸図を見ながら、古民家の建築技術についての説明もあり、参加者は熱心に質問を重ねていました。
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原寸図を作成する金城氏 | 説明をきく参加者 | 完成した原寸図 |
継手の加工では、鎌継ぎと呼ばれる継ぎ方を、参加者が実際に墨つけし、のこぎりやノミを使って加工しました。
鎌継ぎは引っ張る力に対抗できるよう考案された継ぎ方で、男木が蛇の鎌首に似ていることから鎌継ぎと呼ばれています。
参加者の多くは慣れないノミでの加工に悪戦苦闘している様子でしたが、講師の親泊氏のサポートを受けながらなんとか完成させていました。完成した継手は、親泊氏が驚くほどきれいな出来栄えのものもあったようです。
鎌継ぎ
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この木材を加工する | 作業風景 | 若者の姿も |
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作業風景 | 参加者の加工した作品 |
実習の参加者は沖縄県建築士会の会員など15名で、普段は木造建築の設計はしていないがせっかくの機会なので木に触れてみようと参加された方もいらっしゃいました。一朝一夕では身に付かない技術だということが実感でき、技術継承の重要さを改めて感じたという感想もありました。
また、今回の参加者には宮大工を志しているという専門学校生も参加しており、継手加工作業を振り返って、よい道具があればよい仕事ができるのは当たり前なので道具に頼らない技術を身につけたいと話していました。
沖縄県建築士会では、「沖縄県における文化財修理に関わる伝統技術の普及業務」として今後も木造建築物の修復事例の視察等を計画しているそうです。
沖縄県建築士会ホームページはこちら。