古民家を楽しもう!
【古民家活用モデル事業】てぃーだキッズミュージアム
てぃーだキッズミュージアムの取り組み
団体の活動
てぃーだキッズミュージアムは、音楽を通した活動(ムジカクラブ)と自然体験を通した活動(ネイチャークラブ)を両輪とし、子どもが子どもである時期にこそ吸収され、創り上げられる生き生きとした世界の再生を目的に1997年に設立されました。
かつては大人たちの営みを横目に、自然界の摂理と密接に関わった豊かな子どもたちの空間があり、そのひとつひとつの体験の中で、五感を超えた内なる魂の鼓動を鳴響ませ、多くの理を学びながらこの世の中を生きていく糧をゆっくり育まれたと考えています。私たちは、現代社会で失われたかけがえのない空間を子どもと大人がともに、新しい形で創造していくことをめざしています。
今回のモデル事業では、素朴で暖かみのある小さな古民家「とぅからやー」(久高島)における音楽を通した交流を行いました。この古民家の出会いは久高島のわらべうたを採集したのがきっかけで、スタッフが久高小中学校の音楽教諭を勤めていたこともあり、採取したわらべうたと竪琴を久高島の子どもたちに伝承する活動を始めたのが最初です。2008年からは毎年ワークショップやコンサートを開催し、島の子どもたちだけでなく、本島在住者や観光客など多くの方々が参加するようになりました。
てぃーだキッズミュージアムの取り組み
(1)久高島の子どもたちの竪琴のレッスン(2010年10月24日)
久高島の区長及びお世話になっている方へ、「とぅからやー」が古民家活用モデル事業として選定されたことを報告し、今後の協力をお願いしました。島の掲示板を使って事業告知する許可をもらい、島民から活動日であることがわかるように看板を揚げてはどうかとのアドバイスが寄せられました。島民も活動に対して協力的だったことがうれしく感じられました。
その後、島の子どもたちに呼びかけて竪琴のレッスンを行いました。これまでは竪琴を教えるだけでしたが、今回は本島・久高島の両方での交流コンサートを行うと話したところ、子どもたちはとても喜んでモチベーションが上がったと思います。

竪琴の練習

竪琴の練習
(2)わらべうたワークショップ&竪琴レッスン(2010年11月5日・11月14日)
11月5日はてぃーだキッズの「とんとんみークラス」を対象に、わらべうたワークショップを行いました。とぅからやーの家の歴史の説明/久高島のわらべうた(あーみしーよー)の伝承/民話「逃げ遅れた蟹」の語り/かくれんぼ/竪琴の演奏/子守うたとろうそくのプログラムなどを実施しました。
11月14日は久高島の子どもたちと一緒に、なわとび、お手玉、かくれんぼなどの遊びをして、お互いにうちとけあう機会を持ちました。古民家は開放的で、周囲から何をしているかが見え、子どもたちも飛び入りで入りやすいという特徴があると思います。今回も活動に積極的でなかった子が、かくれんぼをきっかけに参加し始め、コンサートにも出たいと意欲的になりました。

図 「とぅからやー」の配置・平面図

竪琴の練習

近所の方が立ち寄る

お手玉遊び

だるまさんが転んだ

前面道路での縄跳び

竪琴を貸し出す
(3)チャペルでの竪琴のレッスン(2010年11月20日)
この日は沖縄キリスト教学院大学のチャペルを借りて、調弦・アンサブル「美しい聖夜」の演奏レッスン/アンサンブル「カノン」「主よ人の望みの喜びを」の演奏レッスン/個人指導を行い、楽器の響き方、照明・椅子・譜面代の位置などを確認しました。子どもたちに本物のコンサートの風景をイメージしてもらうためです。
本当は久高島の子どもたちも参加して交流する予定でしたが、区民で創る演劇「黄金のうりざね」の練習が重なったため、残念ながら参加できませんでした。
(3)チャペルでの竪琴のレッスン(2010年11月20日)
コンサートは午後3時から始めました。演奏は久高島の子ども10名・本島からの子ども2名で行いましたが、竪琴の音色は小さく繊細であり、静かな環境にある古民家はこのようなタイプの演奏に適することが実感されました。観客は久高島から12-3名ほど、本島から2名でしたが、観光客も立ち止まって中をのぞきこむなど関心を集めていました。

徳仁川拝所へあいさつ

古民家の管理人西銘さんが立ち寄る

竪琴の練習

最近大型車がぶつかったという修理された石垣

コンサートを知って駆けつけた人たち

活動説明の額

コンサートの始まり

1曲目の全員での演奏

観客の方々

立ち見の観客も

未来の演奏者

久高っ子による演奏
私たちの活動はどのような効果を生んだのでしょうか。家主さんは、家の手入れや管理の負担が軽減され、子どもたちの活動に使用されていることを喜んでいらっしゃいます。島民は、空き家が活用されることで地域活性につながると考えていらっしゃるようで、「とぅからやーから子どもたちの賑やかな声が聞こえてきて、家も喜んでいるよ」と声を掛けられたこともあります。
子どもにとって古民家はワクワクする遊び場でもあるので、幼いうちに古民家体験させることは重要だと思います。沖縄の自然や文化が持つ美しさを感じる心と感性は幼い頃からの体験が必要だからです。古民家の持つ木造の響きを、繊細な音色の竪琴の演奏を通して味わえたのもたいへん有意義な経験になりました。