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古民家を知る

大学生はこうみる!! ~古民家vs外人住宅~

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今でこそ古民家もおしゃれな店舗空間として利用されていますが、その先輩格といえるのが外人住宅でしょう。以下では、琉球大学の学生が古民家と外人住宅の違いについてレポートしてくれています。

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1.どこにあるの?

古民家

沖縄本島、離島に点在しており、割合としては離島の方が多く存在しています。点在している理由として、戦争で破壊された、老朽化によって取り壊されたなどの理由が考えられます。また、戦後の開発から取り残されたまま建っているものも少なくありません。

集落としてまとまって存在しているのは竹富島、渡名喜島で、ともに国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。指定されたことで古民家の保全が進み、赤瓦のある沖縄らしい風景が好ましいという住民の方の考えによって保全されているともいえるでしょう。
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外人住宅

海がみえ、アクセスがよい場所に多くみられます。終戦後、基地内住居が建設できないほど、住居は不足していたため、基地の周辺に住居を建設しました。これがいわゆる外人住宅で、大型米軍施設の周り、特に中部に多くみられます。

那覇市など南部にも存在していましたが、沖縄の本土復帰後の都市開発によって消えていきました。現在は浦添市港川地区(キャンプキンザー)、宜野湾市大山地区(普天間)、北谷町砂辺地区(キャンプフォスター)、沖縄市高原地区(泡瀬通信基地)、読谷村楚辺地区(トリイステーション)などでみられます。

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2.どっちがハンサム?

古民家

そのまま地面からニョキッと生えてきたのではないかと思うくらい周りと一体化しています。傾斜かかった赤瓦の屋根と周囲を覆う石垣が、周りに植えられた緑色と調和しているようにみえます。台風に耐えるための石垣や防風林と、直射日光を抑えるために長くとび出たひさし(雨端)などは、沖縄の厳しい大自然と共生するため素直な形状となっていて、そのため景観として極めて自然な印象を受けます。先人たちの知恵と技術が沖縄らしさを確立させた歴史を感じます。
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外人住宅

白色に統一された壁にフラットな屋根が乗り、そのまま置かれた四角い箱のようにシンプルな外観です。あたりの風景や周りに植えられた木や芝生の緑に馴染んでみえるのは、白く無装飾であるからに思えます。しかし古民家にみられるような自然な馴染み方ではなく、人工的な馴染み方をしているように思えます。欧米的な自然との関わり方にみえます。

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3.どういう間取りで何があるの?

古民家

集落形態にもよりますが、基本的に南向きです。東側から一番座、二番座となり、その背面には、裏座がおかれていました。一番座には床の間、二番座には仏壇が配置されるのが普通で、裏座には地炉(ジール)が設けられていました。西側には竈(かまど)を設けて台所とし、火の神を祀っていました。

また、仏間は、先祖に手を合わせ、先祖への供養や感謝の気持ちを表現する場所であり、家内安全や家庭円満、子孫繁栄を願う場所でもあります。お盆などの際は、親戚一同が仏壇の前に集まり、先祖の方々とともに宴を開きます。このように沖縄の人々は先祖とともに過ごし楽しみたいという考えを持つゆえ、家の内部に信仰の空間を置いているのです。

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外人住宅

コンパクトかつ、機能的にまとめられた、箱型の間取りになっています。最も多いのは3ベッドルームタイプといわれる3寝室を有する住宅で、台所や家事室など水回りが充実しています。そのスペースは家族団らんの場所からは明確にわかれており、アメリカ住宅そのままの間取りです。

また、外人住宅には信仰のための部屋というものが存在せず、アメリカ人にとって信仰と住宅は、関係性のないものだったということが予想できます。キリスト教徒における信仰の儀式などの多くが教会で行われるため、仏壇のように個人の家の中に神棚が設置されることは特にありません。一週間に一度(主に日曜日)家族や近所の信者で教会に集まり祈りを捧げることが習慣となっています。

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4.どっちが住みやすい?

古民家

寄棟構造(4方向に傾斜を持つ屋根)で、屋根材に赤瓦を使用しています。この赤瓦には気孔がたくさんあり、断熱効果があるため、日光による直接的な室内の気温上昇は外人住宅よりも少ないです。また、雨端(アマハジ)という、軒に突き出しているひさしがあり、東面と南面に取り付けられていることが多いです。雨端によって、横なぐりの雨風を防ぎ、直射日光を遮ることができるので、蒸し暑さの対策として用いられるし、雨戸の開放が可能になり、室内に風を取り込むことができます。また、部屋の明確な仕切りがなく、障子やふすまを使用して大きな開口を取れるため、住宅全体に風を取り込むことができます。床下にも空間があるため、より確実に通気が可能で、湿気がこもることは少ないです。

一方で、台風による被害が大きく、瓦が飛んだり、軒先が崩壊したりしてしまうこともあります。

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外人住宅

屋根裏が存在しないため、夏は直射日光で温められた屋根の熱がそのまま室内に侵入し室温が高くなります。一方、冬は、床や壁がコンクリートであることが影響して、寒さを直に伝えます。「夏は暑くて冬は寒い」という表現がしっくりくるでしょう。開口部が小さく、壁により部屋と部屋が区切られているため、風の流動性が生まれにくいです。また、床下に空間がないため、通気性が非常に悪く、室内に湿度がたまってしまいます。そのため、いたるところで結露が発生し、カビの発生や耐久性の低下に通じることもあります。

一方で、海のみえるところに立地していることが多く、窓を開放すれば風通しがよくなります。また、それにより湿度の除去も可能になります。

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5.こんな使われ方があるよ!!

古民家
築130年の古民家を沖縄そば屋として活用していたり、築100年の古民家を食事処として活用していたりします。観光誌にも取り上げられていて、地元の人のみならず観光客にも愛される名店が多くあります。改装による違和感はそれほどなく、開放的で木の温もりに包まれる、まさに沖縄独自の空間がそのまま残されている店舗が多いです。

仏壇や神棚は取り外されて泡盛や三線が飾られています。庭を有効利用しているお店はテラス席も用意していて、気持ちよく食事ができそうです。古民家にはやはり沖縄の料理が似合うのか、カフェよりも沖縄料理店が多いように思います。

(その他の活用例:宿、福祉施設、商店、スパ・エステ、カフェ etc.)

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外人住宅
沖縄ではもはや定番となっている外人住宅のレストラン仕様。やはりレストランといえば欧米!というようなイメージがついているのですね。

内部はシンプルなつくりで当時の間取りをそのまま活用しています。広い室内は座る場所によってさまざまな雰囲気が楽しめます。おしゃれなインテリアなど置いて個性が表れているカフェがたくさんありますね。

(その他の活用例:ゲストハウス、レストラン、雑貨屋、インテリアショップ etc.)

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6.リフォームするなら・・・

古民家
古民家のリフォームとして一般的に行われていることは、天井を高くすることと、洋室を取り入れることです。

住宅として使用する場合は一番座と二番座は畳を残し和室とし、三番座や裏座にフローリングを用いて洋室にしたりします。沖縄の住宅独特の開放的で通風のよい雰囲気は残している例が多く、沖縄のアイデンティティを大事にしているように思えます。また、古民家に住まれている方の年齢層が高いときは、段差を極力なくすようなバリアフリーの考え方もあります。スロープによる建物へのアプローチなど、車いす使用に支障がないような段差計画が一般的です。

店舗としての使用の際は、沖縄独自の雰囲気を体験できるように必要以上のリフォーム行わず、そのまま使用することが多いです。
構造的な問題としては、柱や梁にシロアリや風化などによる被害がある場合、構造を強化するため取り替えや補強などで対応します。

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外人住宅
外人住宅のリフォームでは、住宅として使用する場合にはトイレや水回りを改装することがあります。戦後間もない頃はフローリングを畳に変え和室として利用する例がありましたが、最近では広いキッチンスペースや生活スタイルの欧米化などの特徴が人気となり、室内の構成はそのままにする例が増えています。

店舗として利用する場合には間仕切りをなくしたり、そのままの間取りで使用したりといろいろな活用方法があるようです。また、壁が白くシンプルなため、色を塗るなどして使用者の個性を引き立てることができるようです。床にハンドメイドのフローリングで味を出す店舗も多いです。

鉄筋コンクリートの傷み具合によっては補強する場合もあるようです。

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7.ここに気を付けよう!!

古民家
古民家は木造建築です。貫木屋形式を用いており、構造部材に釘は基本的に用いない伝統的建築技術により建てられています。ふすまや障子によって部屋が仕切られている点も特徴です。

しかし、紫外線により着色する、いわゆる「やけ」がおこります。木材は他の材料に比べ柔らかい材質のため、風などで運ばれる土砂や埃、塵などにより傷つき、研磨されての風化により劣化します。また、大気汚染物質である酸性雨は木材の風化を促進させます。

台風による被害も無視できず、赤瓦は漆喰で固め、飛ばないようにしていますが、ときには骨組み自体が被害を受けることもあります。それに加え、シロアリなど害虫による被害も存在します。シロアリは湿った木材を食害し、食害を受けた木材は中身がスカスカになり、材料として脆くなってしまいます。

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外人住宅
外人住宅は鉄筋コンクリート造建築です。壁式構造(柱がない)で、壁によって部屋が区切られています。まさにアメリカ的なモダンな建築物で、戦後ずっと人々のあこがれでした。

しかし、コンクリートには空隙が存在しており、そこを通じてコンクリート内部に水や有害物質が進入し、劣化が生じます。また、海岸近辺ではこの空隙を通じて内部に飛来塩が進入し、鉄筋の腐食が生じて、耐久性の低下に通じます。また、温度・湿度の変化によって伸縮し、亀裂が生じることもあります。

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琉球大学工学部環境建設工学科 親川、川口


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古民家相談室

2017.6.14NEW

相談
始めまして京都出身横浜在住の40代後半の男性です。 祖父が今帰仁生まれのせいもあり沖縄に大変興味があり、特に沖縄出身の建築家の某先生に設計を教えていただいたり親しくして頂いているので、沖縄の住宅に興味かあり、去年伊是名島に銘苅家を見にいき大変感銘を受けました。 趣味で銘苅家の図面を模写してみたり模型を作ったりしてみたいのですが元となる図面などを入手する方法はありませんか? おわかりになられるようなら教えて頂きたくご連絡いたしました。 銘苅家がダメで一般的な古民家の図面ならなどという情報でもありがたいです。 よろしくお願いします。
回答
こんにちは、お問い合わせ拝見いたしました。 伊是名島の銘苅家住宅についてですね。 銘苅家住宅(いぜな島観光協会)...

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古民家用語集

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