本事業の概要

 沖縄は亜熱帯に属しており、多くの島々と周辺海域から成り立ち、日本でも特異な自然環境に置かれた地域です。沖縄の古民家は、固有の気候風土、歴史・文化、伝統的な暮らしを反映した独特の建築様式を持ち、古民家のある集落は、落ち着きのある美しい景観を形成しており、沖縄の原風景であります。そのような古民家の家並みは、戦禍や戦後の都市化によって失われてきたものの、過疎地や離島などを中心に―ときには市街地にも―今なお残され、その落ち着きのある美しい景観は、重要な観光資源として過疎地や離島の振興に大きく寄与しているところです。

  本事業は、「沖縄の古民家保全・再生・活用調査事業」という名称で沖縄県土木建築部住宅課が担当しています。古民家の保全・再生・活用に関する情報を収集・データベース化するとともに、地域における主体的な取り組みを定着させることにより、沖縄の貴重な財産である古民家集落の風景を将来にわたって継承していくことを目的に行うものです。これにより、観光資源としての景観形成や古民家を活用したコミュニティ・ビジネスの育成による地域振興などの効果が期待されます。

古民家の定義(仮)

 本土の民家とは建築様式が異なる沖縄の古民家について、今はまだ一般的な定義は定着していません。 そこで本事業では仮に、構造は純木造または一部木造で、屋根は瓦葺きまたは茅葺きであり、概ね50年以上の建築年数が経った家を古民家としています。ただし、以下の点を考慮して古民家の実態調査を進めました。


1
地域の伝統的集落景観及び観光資源に資する建築物であること
2
利活用を図ることでコミュニティの活性化が期待できること
3
上記Aのため、原則として空き家または貸家であること(仏壇・位牌等が祀られ、行催事や一時宿泊等に利用されている家も含む)
4
建築年数50年以上は、厳密に適用するのではなく、築年数が満たなくても古民家の雰囲気を保っているものは該当するとみなすこと


これまでの事業内容

 平成21年度には主に次のような調査を行いました。

@古民家実測調査

 県内の古民家について、所在、築年数、所有者状況、建物概要、破損状況、周辺環境等を調査し、また、古民家及び敷地について実測・写真撮影を行い、平面図、断面図、配置図を作成した。

A建築資材の動向調査

 材木、赤瓦など古民家の構成要素である建築資材について、生産状況、保存や転用の状況や意向など市場動向に関する調査を行った。

B伝統的建築技術者の動向調査

 伝統的建築技術の継承、意匠に関する知見、後継者の有無等を確認した。また、伝統的建築技術等に係る資格制度(全国)についても整理した。

C古民家の所有者等の意向調査

 実測調査の対象となった古民家の所有者または管理者から、今後の利活用に関する意向を確認した。

D古民家を利用するユーザーの意向調査

 再生された古民家の利活用に関わる公共団体や業者等に対して、古民家の利用に関する意向、展望をうかがった。

E古民家の活用事例の調査

 全国及び県内で古民家を保全・再生・活用している事例を選出して紹介するとともに、その仕組みや組織体制、利用の傾向、行政のバックアップ等の情報について整理した。

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